ブロック塀にフェンスの後付けはできるの?設置の注意点やおすすめ商品をご紹介

「ブロック塀の上にフェンスを後付けしたい」
「どんなフェンスがあるか知りたい」
という方のために、ブロック塀に後付けできるフェンスについてまとめました。
後付けフェンスは既存のブロック塀を活かしながら、さらなる高さやデザイン性を付加できるメリットがあります。
この記事では、ブロック塀へのフェンス後付け方法や素材選びのポイント、さらにはおすすめ商品までを徹底解説します。
目次
ブロック塀にフェンスを後付けする4つの方法
4つの設置方法とそれぞれの特徴を解説します。
- ブロック塀をさらに積み重ねる
- ブロック塀に穴を開けて上からフェンスを設置する
- ブロック塀のそばにフェンスを設置する
- 既存の植栽を撤去してフェンスを設置する
敷地の状況や予算、求める効果によって適した設置方法が異なるため、それぞれの特徴を理解した上で選択しましょう。
ブロック塀をさらに積み重ねる
既存のブロック塀の上に、さらにブロックを積み重ねる方法は、見た目の一体感が保てる点がメリットです。
同じブロックを使用すると、違和感なく高さをアップできます。
ただし、基礎の耐荷重を確認する必要があり、場合によっては基礎の補強工事が必要になることもあります。
また、建築基準法で定められた高さ制限を超えないよう注意しましょう。高さ制限は、1.2mから最大2.2m以下です。
地震対策の観点からは、高くすることでリスクが高まる可能性もあるため、専門家への相談が欠かせません。
ブロック塀に穴を開けて上からフェンスを設置する
既存のブロック塀の上部にフェンスを設置する方法は、比較的手軽に高さを確保できる点が魅力です。
ブロック上部に穴を開け、支柱を固定するためのアンカーを打ち込むと、安定してフェンスを設置できます。
ブロック塀の上からフェンスを設置する工法は、ブロックへの負担が少なく、さまざまなデザインのフェンスと組み合わせられる自由度の高さが魅力です。
工事も比較的シンプルで、DIYに挑戦する方も少なくありません。
しかし、古いブロック塀の場合は強度不足の懸念があるため、事前に専門家による点検を受けることがおすすめです。
また、防水処理をしっかり行わないと、穴から雨水が侵入し劣化を早める可能性があります。
ブロック塀のそばにフェンスを設置する
既存のブロック塀の近くに独立してフェンスを新設する方法も選択肢の一つです。
ブロック塀本体に手を加えることなく設置できるため、構造上の影響を最小限に抑えられるでしょう。
また、ブロック塀とフェンスの間の空間は、植栽スペースとして活用することも可能です。
デザイン的にも二重の境界線が生まれて、立体感のある外観を演出できます。
ただし、敷地内のスペースが必要になるため、狭小地では実現が難しい場合もあります。
設置位置によっては隣地との境界線に関する確認も必要となるため、事前の測量と確認作業が不可欠です。
既存の植栽を撤去してフェンスを設置する
ブロック塀の周囲に植栽がある場合は、植栽を整理・撤去してフェンスを設置する方法も考えられます。
長年手入れされていない植栽は、根の成長によってブロック塀を傷める原因です。撤去すると、新たなフェンス設置スペースが確保できるだけでなく、ブロック塀の保全にも繋がります。
また、フェンス設置後に改めて植栽を行うことで、より美しい外観を作り出すことも可能です。
ブロック塀の上に設置できる後付けフェンスの素材と特長

後付けが可能なフェンスは、主に4種類あります。
- コスパに優れたスチールメッシュフェンス
- さびや腐食に耐性のあるアルミフェンス
- 落ち着いた雰囲気が特徴的な天然木調フェンス
- 木の雰囲気は残してメンテナンス性を高めた人工木製フェンス
- デザイン性が高くておしゃれな鋳物製フェンス
ライフスタイルや住宅の外観、周辺環境との調和なども考慮しながら、最適な素材を選定しましょう。
コスパに優れたスチールメッシュフェンス
最もポピュラーで導入しやすいのが、スチールメッシュフェンスです。金網状の構造で視線を遮りながらも風通しが良く、圧迫感を与えにくい特徴があります。
価格帯も比較的リーズナブルで、初期投資を抑えたい方に適した選択肢といえるでしょう。
施工も比較的容易なため、DIYでの設置にも挑戦しやすい素材です。
素材の特性上、経年劣化による錆びが発生しやすい点がデメリットです。
最近では、メッキや樹脂コーティングなどの防錆処理が施されたタイプも多く販売されており、耐久性が大幅に向上しています。
カラーバリエーションも豊富で、住宅の外観に合わせた色選びが可能になっているのもポイントです。
さびや腐食に耐性のあるアルミフェンス
アルミフェンスは軽量でありながら強度が高く、耐候性にも優れているため、長期使用を考える方におすすめの素材です。
錆びにくいため海岸地域や湿度の高い地域でも使用できるでしょう。
表面処理技術の進化により、木目調や石目調などのデザインバリエーションも豊富です。
メンテナンス頻度も少なく、汚れた場合も水洗いで簡単に対応できます。初期コストはスチール製と比べてやや高めですが、長期的なメンテナンスコストを考慮すると、むしろ経済的な選択といえるでしょう。
落ち着いた雰囲気が特徴的な天然木調フェンス
自然素材を好む方には、天然木を使用したフェンスがおすすめです。
温かみのある質感と、時間とともに深まる味わいが魅力の素材といえるでしょう。
和風や自然派の住宅デザインと相性が良く、独特の風合いで住宅の価値を高められます。
杉やヒノキなどの国産材から、イペやウリンなどの高耐久輸入材まで、選択肢はさまざまです。
木材の特性上、定期的な塗装やメンテナンスが必要になるものの、木の経年変化を楽しむ園芸的な素材として捉える方も少なくありません。
紫外線や雨風による色褪せや反りが発生する可能性があるため、こまめなケアが必須です。
木の雰囲気は残してメンテナンス性を高めた人工木製フェンス
天然木の風合いを持ちながら、メンテナンス性を向上させた人工木製フェンスも注目を集めています。
木粉と樹脂を混合した素材で、天然木に近い見た目と触感を実現しながらも、耐久性や耐水性に優れているのが特徴です。
腐食や虫害の心配がなく、色褪せも少ないため、長期間美しい状態を保てます。
定期的な塗装も不要で、水洗いのみのシンプルなメンテナンスで済むため、忙しい方にも扱いやすいでしょう。
価格帯は天然木と同等かやや高めですが、メンテナンスコストを含めた総コストでは経済的な選択肢といえます。
素材技術の進化により、より本物に近い質感の製品も続々と登場しています。
デザイン性が高くておしゃれな鋳物製フェンス
洗練された外観を求める方には、鋳物製フェンスがおすすめです。
鉄やアルミを鋳型に流し込んで製造されるため、繊細で複雑なデザインを表現できる点が魅力です。
ヨーロピアンスタイルの住宅や、クラシカルな雰囲気を持つ邸宅との相性がよく、格調高い雰囲気を演出できるでしょう。
重厚感のある見た目かつ、透過性のあるデザインが多いため、圧迫感を抑えつつ防犯性を高められるというメリットもあります。
表面処理技術の向上により耐候性も改善されており、従来の鉄製に比べてメンテナンス頻度が少ないアルミ鋳物製品も増えています。
フェンスをブロック塀に後付けする際の施工費用

施工費用は、施工方法や使用する素材、規模によって異なります。
- 既存のブロック塀の上に取り付ける場合
- 新しく設置したブロック塀に取り付ける場合
- 古いブロック塀を解体して取り付ける場合
上記の代表的な施工パターン別の費用相場を解説します。
既存のブロック塀の上に取り付ける場合
すでに設置されているブロック塀の上にフェンスを取り付ける場合、フェンスの素材とブロックによって価格が変わります。
フェンス1メートルあたり5,000円~30,000円程度プラス工賃3,000円~8,000円ほどが相場です。
既存ブロック塀の状態によっては、補強工事が必要になることもあり追加費用が発生します。
DIYに挑戦する場合は材料費のみで済みますが、専用工具の購入費用も必要です。
新しく設置したブロック塀に取り付ける場合
ブロック塀とフェンスを同時に新設する場合は、基礎工事が必要です。
費用はブロック塀の高さや使用する素材によって変動しますが、1メートルあたり15,000円~25,000円程度が相場です。
一度の工事で完結するため、将来的な追加工事の手間が省ける可能性があります。また、最初から計画的に設計できるため、ブロック塀とフェンスの調和がとれた美しい外観を実現しやすいというメリットも見逃せません。
古いブロック塀を解体して取り付ける場合
老朽化したブロック塀を解体し、新たにフェンスを設置するケースも見ていきましょう。
解体によって敷地を有効活用できるようになるケースもあり、住環境の改善にもつながります。
古いブロック塀からフェンスへの建て替えをする場合、解体費用が追加されます。解体して処分する費用は1メートルあたり25,000円~40,000円程度が目安です。
ブロック塀の解体から新たなフェンスの設置まで含めると、1メートルあたり30,000円~60,000円程度の費用がかかるでしょう。
フェンスの形状の選び方

フェンスには下記のような形状があり、それぞれに特徴とメリットがあります。
- 費用を抑えて設置ができるメッシュタイプ
- 外からの視線を遮断できる完全目隠しタイプ
- プライバシーを守るだけでなく光や風が確保できる半目隠しタイプ
- 風通しがよく目隠しにもなるルーバータイプ
- 日当たりが良くプライバシーが確保できる透かしタイプ
選ぶ際には、プライバシー保護の度合い、通風・採光性、防犯性能、そして住宅のデザインとの調和など、複数の要素を考慮することが大切です。
費用を抑えて設置ができるメッシュタイプ
メッシュタイプのフェンスは、金網状の構造で材料費が安く施工も比較的容易なため、広範囲の設置でも予算を抑えられるフェンスです。
通風性や採光性に優れているため、植栽との相性も良く、緑のカーテンを育てる基盤としても活用できるでしょう。
防犯面では完全な目隠しにはならないものの、敷地の境界を明確にし、侵入障壁としての機能は十分に果たします。
メッシュの目の細かさや形状、色のバリエーションが豊富で、住宅の外観に合わせた選択も可能です。
設置後の拡張性も高く、後からネットやシートを取り付けて目隠し効果を高めるアレンジもできるため、段階的な環境整備を考える方にも適しています。
外からの視線を遮断できる完全目隠しタイプ
プライバシー保護を優先する方には、完全目隠しタイプのフェンスがおすすめです。
隙間なく設計されたパネルで、外部からの視線を完全に遮断できます。
庭でのバーベキューや子どもの遊び場として庭を活用したい家庭には、心理的な安心感をもたらす効果もあるでしょう。
一方で、通風性や採光性は低下するため、設置場所や向きには配慮が必要です。完全に閉鎖的な印象を与えないよう、部分的に他のタイプと組み合わせるデザインも人気を集めています。
都市部や住宅密集地では、完全目隠しタイプを選ぶ方が多いようです。
プライバシーを守るだけでなく光や風が確保できる半目隠しタイプ
プライバシーと開放感のバランスを重視するなら、半目隠しタイプがおすすめです。
パネルの高さや配置を工夫すれば、閉塞感を感じることなく適度なプライバシーを確保できます。
通風性も確保できるため、庭の植物への影響も最小限に抑えられるでしょう。
デザイン的にも中間的な選択肢であるため、さまざまな住宅スタイルに調和しやすい点がメリットです。
上下で異なる素材やデザインを組み合わせると、個性的な外観を演出できます。
機能性とデザイン性のバランスが取れた人気の高い選択肢といえるでしょう。
風通しがよく目隠しにもなるルーバータイプ
斜めに配置された板状のパネルが特徴のルーバータイプは、角度によって視線をコントロールできる優れたデザインです。
外からの視線を遮りながらも、内側からは外の景色を楽しめるよう設計されており、一方通行の視界確保が可能です。
風通しも良好で、強風時の負荷も分散されるため、台風が多い地域でも比較的安全に設置できるでしょう。
日差しもやわらげつつ採光は確保でき、西日が強い場所での設置にも適しています。
メンテナンス面でも、パネル単位での交換が容易なタイプが多く、部分的な破損にも対応しやすい点がメリットです。
コスト面では中程度の価格帯に位置しており、性能とのバランスが取れた選択肢といえるでしょう。
デザイン性も高く、特にモダンな住宅との相性が抜群です。
日当たりが良くプライバシーが確保できる透かしタイプ
装飾性の高い透かしタイプは、デザイン性を重視する方に人気です。格子状やアーティスティックな透かし模様が施されており、フェンス自体が外観のアクセントとなります。
適度な目隠し効果と通風性を両立させたバランスの良さが特徴で、庭の植物への日照も確保できる点がメリットです。
光と影の演出効果も魅力的で、日中の移り変わる光によって表情を変える美しさを楽しめるでしょう。
風の抵抗を受けにくい構造のため、強風地域でも比較的安心して設置できます。防犯面では完全な目隠しにはなりませんが、侵入の抑止力としては十分です。
価格帯は、デザインの複雑さによって幅があります。
和風・洋風を問わず、住宅の外観デザインとの調和を重視する方におすすめです。
ブロック塀に取り付けられるおすすめのフェンス5選

ここでは、ブロック塀との相性が良く、人気の高い商品を5つピックアップしました。
- LIXIL フェンスAB YT1型
- LIXIL アルメッシュフェンス
- LIXIL フェンスAB YS3型
- YKK AP シンプレオ フェンス
- 三協アルミ レジリア
耐久性やデザイン性などの観点から評価の高い製品を厳選しています。
LIXIL フェンスAB YT1型
フェンスAB YT1型は、アルミニウム製で耐久性が期待できるアルミフェンスです。
デザインは目隠し、ルーバー、スリットなど多様なスタイルがあり、外観に合わせて選べます。
採光パネルを使用しているため、外部からの視線を遮りつつ、内部には光を取り入れることが可能です。プライバシーを保ちながらも明るい空間を確保できるでしょう。
標準で風速34m/秒に耐える設計で、柱のピッチを調整すると風速42m/秒にも対応可能です。
LIXIL アルメッシュフェンス
LIXILのアルメッシュフェンスは、ブロック塀に取り付けるのに適したフェンスです。
光を遮らず風通しが良いため、植物を植えている場所にも気兼ねなく設置できます。
幅1979mm、高さ600mm、800mm、1000mmのサイズがあり、カラーも複数選べるため、設置場所に応じた選択が可能です。
耐風圧強度は風速33.1m/秒で、柱のピッチを調整するとさらに高い耐風圧に対応できます。
LIXIL フェンスAB YS3型
LIXILのフェンスAB YS3型は、目隠し効果とデザイン性を兼ね備えたアルミ製のフェンスです。
横スリットデザインを採用しており、太めの横パネルと細めのスリットが印象的です。視界を適度に遮りながらも、採光をしっかり確保できるでしょう。
フェンスの下空き寸法が狭いため道路側からの視線を遮ることができ、ペットがくぐり抜けにくい点がメリットです。
耐風圧強度は、標準の風速34m/秒相当に加えて台風などの自然災害のリスク対策として、風速42m/秒相当にも対応しています。(T-14を除く)
YKK AP シンプレオ フェンス
シンプレオフェンスは、横スリットや縦スリットなどの多様なデザインがあり、現代的な外観が特長です。特にYS3型は、太い格子がしっかりとした印象を与えつつ、風を通す設計になっています。
適度な目隠し効果がありますが、さらにプライバシーを確保したい場合はオプションで隙間隠しを追加することも可能です。
耐風圧強度は、風速42m/秒相当です。
三協アルミ レジリア
レジリアシリーズは目隠し効果が高く、外部からの視線を遮ることができるため、プライバシーを重視する方に適しています。
横目隠しや縦目隠し、ルーバータイプなど、さまざまなデザインが用意されていて、住宅の外観に合わせた選択が可能です。
上下桟と格子の面が揃った意匠で、目隠し効果と外観のスタイリッシュさを両立できるでしょう。
5種類のカラーバリエーションで、住宅や街並みとマッチした外観を演出できます。
ブロック塀の上にフェンスを設置する際の注意点

フェンス設置の際に、気を付けるべきポイントを4つ解説します。
- 高さは220センチ以下と法律で決まっている
- フェンス高さ1400ミリ以上はブロック幅が150ミリ以上必要
- 自宅の日当たりや風通しが悪くならないような箇所に設置をする
- 近隣の住宅の日当たりや風通しに影響があるとトラブルになる
後になって問題が発生することを避けるためにも、設置前に十分な確認と準備をしておくことが大切です。
高さは220センチ以下と法律で決まっている
ブロック塀とフェンスを合わせた総高さには、建築基準法による制限があり、一般的な住宅地では、総高さが2.2m(220cm)以下という規定が設けられています。
規定を超える場合は、自治体や行政庁の許可が必要となるため、余分な手続きや費用が発生することになるでしょう。
地区計画や建築協定が定められている地域では、さらに厳しい高さ制限が設けられていることもあります。
高さ測定の基準は地盤面からとなりますので、敷地に高低差がある場合は特に注意が必要です。
設置前に自治体の建築課や都市計画課に確認しましょう。
フェンス高さ1400ミリ以上はブロック幅が150ミリ以上必要
フェンスの安全性は、支える土台となるブロック塀の強度にかかっています。
1400mm以上の高さのあるフェンスを設置する場合、風圧や地震などの外力に対する安全性を確保するためにブロック幅150mm以上が目安です。
細いブロック塀の上に高いフェンスを設置すると、強風時に倒壊するリスクが高まります。
既存のブロック塀の幅が十分でない場合は、補強工事を検討するか、フェンスの高さを抑える選択をすべきでしょう。
また、フェンスの支柱間隔も重要なポイントです。一般的には2メートル以内の間隔が推奨されており、間隔が広すぎると構造的な弱点となります。
自宅の日当たりや風通しが悪くならないような箇所に設置をする
フェンスの設置位置や形状を決める際は、自宅の住環境への影響も考慮すべきポイントです。
南側や西側に完全目隠しタイプの高いフェンスを設置すると、室内への日射量が大幅に減少し、冬場の光熱費増加や湿気の問題につながる可能性があります。
風の流れを妨げることで、夏場の通風性が損なわれ、エアコン使用量が増えるといった弊害も生じかねません。
庭の植物への影響も考慮し、日照が必要な植栽エリアへの影響を最小限に抑える配置を心がけましょう。
フェンスの一部をメッシュタイプやルーバータイプにするなど、場所によって形状を変えると住環境への影響を軽減できます。
設置前に日の動きや風の流れを観察し、季節ごとの変化も念頭に置いた計画を立てると後悔のない選択ができるでしょう。
近隣の住宅の日当たりや風通しに影響があるとトラブルになる
ブロック塀上にフェンスを設置する際は、自宅への影響だけでなく、隣接する住宅への配慮も欠かせません。
特に北側や東側の敷地境界に高いフェンスを設置すると、隣家の日照や通風を阻害する可能性があります。このような状況は、近隣トラブルの原因となりかねず、良好な関係性を損なう恐れもあるでしょう。
近隣への影響が懸念される場合は、事前に設置計画を伝え、理解を得ることが必要です。
法的には問題なくても、地域の慣習や暗黙のルールが存在する場合もあるため、地域コミュニティへの配慮も忘れてはなりません。
長く安心して暮らすためには、設置前の丁寧なコミュニケーションが何よりも大切です。
ブロック塀の上にフェンスを設置する際によくある質問

ブロック塀へのフェンス設置を検討する際、よく寄せられる質問と回答をまとめました。
ブロック塀の上にフェンスを設置する際の高さ制限はありますか?
建築基準法では、ブロック塀とフェンスを合わせた総高さは、一般的な住宅地において2.2m(220cm)以下と定められています。
制限は地域によって異なる場合があります。市街化調整区域や特定の用途地域では、異なる規制が適用されることもあるでしょう。
また、二つの道路が交わる角地の場合は、見通しの確保のために交差点付近でさらに厳しい高さ制限が設けられていることもあります。
具体的には、地面から高さ1.2m以上の部分については、見通しを確保できる構造にすることが求められるケースもあるようです。
なお、高さ制限を超える場合でも、自治体や行政庁の許可を得ることで設置できる場合もあります。
設置にはどれくらいの費用が発生しますか?
費用は設置方法や素材、規模によって異なります。
一般的な相場として、既存のブロック塀へのフェンス後付け工事では、1mあたり15,000円~30,000円程度が目安です。
使用する素材によっても価格差があり、スチール製が最も手頃で、アルミ製、木製、鋳物製と価格が上がっていく傾向にあります。
DIYで設置する場合は、材料費のみで済むためコストダウンできるでしょう。自治体によっては、補助金が受け取れるケースもあります。
ブロック塀が古い場合でもフェンスを設置できますか?
築年数が経過したブロック塀へのフェンス設置は可能ですが、安全性の確認が欠かせません。
古いブロック塀の場合、ひび割れや傾き、モルタルの劣化などがないか、まずは点検が必要です。
特に1981年以前に建てられたブロック塀は、現在の耐震基準を満たしていない可能性があるため築年数も確認します。
状態によっては、アンカーボルトによる補強や、部分的な積み直しなどの対策が必要です。状態が非常に悪い場合は、一度解体して新たにブロック塀とフェンスを再度設置します。
フェンスの設置にはどのような方法がありますか?
ブロック塀にフェンスを設置する方法は、主に3つあります。
まず既存のブロック塀の上に、さらにブロックを積み重ねる方法です。比較的リーズナブルに設置できますが、基礎の強度次第では補強工事が必要になることがあります。
次に、ブロックを積み増してフェンスの柱を埋め込む方法です。コア抜き不要で費用と時間を抑えられます。
最後に、ブロック塀の内側または外側にフェンスを設置する方法です。塀を加工せずに済みますが、敷地が狭くなる可能性があります。
それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、ブロック塀の状態や予算、求める効果に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
まとめ
ブロック塀へのフェンス後付けは、プライバシー保護や防犯性の向上、さらには住宅の外観価値を高める効果が期待できます。
アルミやメッシュ、天然木調や人工木調など、求める機能や住宅の雰囲気にあったフェンスを選ぶと、防犯性とデザイン性を両立できます。
フェンス設置の際にはメンテナンス性や耐久性だけでなく周辺環境との調和、法規制や近隣への配慮も欠かせません。
快適で安全な住環境づくりの一環として、後悔のないフェンスの設置を実現してください。