ホームセンターのカーポートはなぜ安い?メリット・デメリットやおすすめな人について解説
愛車を雨や雪、紫外線から守るカーポート。ホームセンターでは、比較的リーズナブルにカーポートを購入できることをご存知でしょうか。専門店と比べて価格が安いため、注目を集めています。
しかし、価格が安い分、気を付けるべき点もあります。自宅に合わないカーポートを安い値段だけで選ぶと、後から出費がかさむことにもなりかねません。
今回は、ホームセンターでカーポートを購入する際のメリットやデメリット、そして向いている人の特徴について詳しく解説します。
予算を抑えながらも後悔しない選択ができるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
ホームセンターのカーポートが安い理由
ホームセンターで販売されているカーポートが安価な背景には、5つの理由があります。
- オリジナル商品であるため価格が抑えられている
- 大量生産によるコストダウンが可能
- 耐風圧性能が低い
- デザインや色の選択肢が限定されている
- サイズのバリエーションが少ない
価格を抑えるためにさまざまな工夫が施されているのですが、その分、品質面で思ったようなカーポートではないことも。
以下で具体的な理由を見ていきましょう。
オリジナル商品であるため価格が抑えられている
ホームセンターのカーポートが安い理由の一つは、オリジナル商品として提供されているため、価格が抑えられていることです。
ホームセンターはメーカーと直接提携し、自社ブランドとして製造されるカーポートを販売します。メーカーから他の小売業者への中間マージンを削減し、流通コストを最小限に抑えています。
さらに、メーカー特有のブランド価値や高額な開発コストが価格に反映されないことも、安い価格の理由です。
結果として、販売価格が他社のブランド商品よりも安くなります。
しかし、この価格優位性の裏には、メーカー品と比較した場合の品質差が生じる可能性があることに注意が必要です。
たとえば、メーカー品では長年の研究開発や品質保証プロセスが投入されているため、耐久性や設計の細部において優れていることが多いです。
それに対して自社ブランドは、コストパフォーマンスに優れているものもあれば、形状が同じに見えても性能が違うケースが多く、耐用年数や細かい仕様に差が生じる場合があります。
大量生産によるコストダウンが可能
ホームセンターチェーンは全国に多くの店舗を展開しているため、カーポートの部材を大量生産・大量仕入れできる上に、品種や色を絞り、大量生産しているのでその結果1台あたりの製造コストを抑えることが可能です。
大量生産によるコストカットは、効率的な生産ラインによりさらに強化されます。デザインや仕様を限定することで、生産効率をさらに高められるのです。
たとえば、シンプルな形状や標準的なカラーに絞った商品は生産効率が高く、コストも抑えられます。
しかし、こうした戦略は製品が画一化され、個別のニーズに応える柔軟性が低くなる点がデメリットです。
耐風圧性能が低い
ホームセンターで販売されているカーポートは、一般的なメーカー品に比べ耐風圧性能が劣る傾向があります。
低価格を実現するために部材の肉厚が抑えられるためです。
結果として、特に台風が多い地域では強風で変形や破損が生じるリスクが高まります。
耐久性を高めるための補強構造や厚い支柱が使用されないことで、風速の強い日にはカーポートが揺れたり曲がったりするかもしれません。
また、積雪にも耐える仕様が十分でない場合、雪の重みによる破損や事故のリスクも懸念されます。
デザインや色の選択肢が限定されている
ホームセンターのカーポートは、価格を抑えるために色やデザインのバリエーションが限られているのが現状です。基本的な普及品はシンプルデザインが中心であり、外観にこだわった商品は少ない傾向があります。
理由としては、生産コストを抑えるためにデザインの選択肢を限定しているためです。
住宅の美観を保ちたいと考える方には、木目調や独自のカラーバリエーションなど高級感のある仕上げを選ぶことが難しいと感じるでしょう。標準的な白やグレーのカラーが多く、街並みや住宅のデザインと調和を求める場合には選択肢が狭まります。
そのため、価格面でのメリットはあるものの、デザイン性を重視する方にとっては物足りなさを感じるかもしれません。
サイズのバリエーションが少ない
ホームセンターのカーポートは、細かくサイズを調整することは難しいのが実情です。コストを抑えるため標準的なサイズで展開しているためです。
そのため、敷地の形状や特定の条件に合わせたカスタマイズが必要な場合、選択肢が限られます。
たとえば、変形地や狭いスペースに設置する際、既製品のサイズが合わず、不適合や無駄なスペースが生じるかもしれません。
また、大型の2台用や3台用のカーポートは品揃えが少なく、大型車や複数の車を所有する家庭の需要を満たす商品は見つけにくいでしょう。
標準サイズ中心の品揃えはコストが安いというメリットがありますが、柔軟な対応が求められる設置環境においては制約を感じるかもしれません。
ホームセンターで販売されているカーポートの注意点
価格の安さに魅力を感じる一方で、購入前に確認しておくべき注意点が4つあります。設置後のトラブルを防ぐためにも、以下のポイントを理解しておきましょう。
特に、安全性や耐久性に関する事項は見過ごせません。
強度や耐久性が低く、台風が接近した際に危険
ホームセンターのカーポートはコストを抑えるため、部材の強度や耐久性が一般的なメーカー品より劣る可能性があります。
特に台風時には強風によって屋根材が歪む、さらには飛散するリスクが高まります。
また、使用される素材が安価である分、経年劣化が早く進行し、変色や腐食、構造の劣化が早まる可能性が高いでしょう。
初期コストは低く抑えられるものの、長期的に見れば修理や交換費用がかかるため、必ずしも経済的とは言えない場合があります。
安全性の観点からも、耐久性や強度が低い点は理解しておきましょう。
専門スタッフが少ないので適切な説明が受けられない
ホームセンターでは、カーポートに関する専門知識を持つスタッフが常駐していないことが多いため、商品の特徴や設置について細かい相談ができない可能性があります。
設置場所の地盤や風の強さなどを考慮した適切なアドバイスが得られないことで、選んだカーポートが実際の環境に合わず、不具合を起こすリスクが高まるでしょう。
また、施工に関しては外部業者へ依頼することが一般的であり、その施工がメーカーの基準を満たしているかどうか不透明です。
施工業者の立場からすると1件当たりの施工時間を短縮し、現場数をこなすことが優先のケースが多いため、工事の品質に不安感じるユーザーさんもいらっしゃいます。
基礎工事の大きさ、深さ等強度に関係する重要な部分も配慮しているかは事前に確認をすると良いでしょう。
施工の質が不安定な場合、設置後に問題が発生する可能性はさらに高くなります。
長期的な満足度に影響を与えるため、カーポートを選ぶ際には、アフターサポートや施工品質の信頼性についても慎重に検討することが必須です。
また、毎年発売される新商品など、最新の情報も伝わっていない事も多く、結果的にお問い合わせに適切に対処できないケースもあります。
選べる商品の幅が少なく、デザインが選べない
ホームセンターで取り扱うカーポートは、コストと在庫管理の効率を重視するため、商品ラインナップが限定的で選択肢が狭くなりがちです。
特にデザイン性が高い商品や、サイズや仕様のカスタマイズが可能な商品はほとんど見つかりません。
たとえば特注のカラーバリエーションや木目調の高級感あるデザインを求める場合、ホームセンターでは対応できないことが多いです。
さらに、雨よけの延長パーツや特殊なサイドパネルなどのオプション品の種類が限られているため、後から機能を追加する際もスムーズに行かない可能性があります。
住宅の外観・デザインにこだわる方にとっては物足りない選択肢となり得るでしょう。
施工業者の指定ができない
ホームセンターでカーポートを購入すると、提携している業者による施工が基本となり、信頼できる業者を自分で選べない傾向があります。
ホームセンターが契約した施工業者は、ホームセンターの基準に従って作業を行うため、品質管理がしやすく、コスト面でも効率的です。
しかし、問題が発生した場合、連絡や対応がホームセンターを経由する必要があるため、手続きが煩雑になることがあります。
費用の中には保証も含まれていますが、コストを抑えるために十分な保証がされていないことも。
そのため個別に信頼できる業者へ依頼した場合と比較して、修理なども含めるとトータルコストが高くなる可能性があります。
ホームセンターのカーポートを購入しても良い人の特徴
以下のような条件に当てはまる方であれば、ホームセンターでのカーポート購入を検討しても良いでしょう。
- 金額を抑えてカーポートを設置したい
- 台風や雪が少ない地域に住んでいる
- 色やデザインにこだわりが少ない
- 設置スペースが広く確保できる
ただし、メリットとデメリットを十分に理解した上で判断しましょう。
金額を抑えてカーポートを設置したい
予算を最優先に考える方には、ホームセンターのカーポートはとても魅力的な選択肢です。
ホームセンターの商品は大量生産と効率的な流通により、低価格を実現しています。
メーカー品と比べて大幅に価格を抑えることができ、特に初期費用を低く抑えたい方にとってはコスト面での負担が軽減できます。
たとえば、車を雨風から守る基本的な機能があれば十分と考える方や、デザインや特別な仕様にこだわらない方にとっては、価格のメリットは何よりも選ぶ理由となるでしょう。
長期的な耐久性やデザインの選択肢には限りがありますが、とにかく価格重視で選びたい場合、ホームセンターのカーポートは理想的です。
台風や雪が少ない地域に住んでいる
比較的穏やかな気候で、強風や大雪の心配が少ない地域にお住まいの方には、ホームセンターのカーポートは適しています。こうした環境では、耐風圧性能や耐雪性への要求が低いため、基本的な性能を備えたホームセンターのカーポートでも十分に機能します。
たとえば、都市部や温暖な沿岸地域では、強風や大雪が頻繁に発生することが少ないため、過剰な耐久性を求める必要はありません。
しかし、自然災害により予想外の事態に見舞われる可能性もあるため、災害リスクには注意が必要です。
極端な気象条件には適応できない場合があることを念頭に置きつつ、安価で手軽なカーポートを選ぶことが有益と言えるでしょう。
色やデザインにこだわりが少ない
シンプルなデザインで十分という方や、外観にそれほどこだわりがない方には、ホームセンターのカーポートが適しています。
基本的な機能が備わっていれば十分で、見た目やデザインに過度なこだわりがない場合、ホームセンターのシンプルな商品でも十分に満足できるでしょう。
特に、駐車スペースの確保が目的であり、外観に特別なデザインや高級感を求めない方には、低価格で実用的なカーポートが最適です。また、住宅の外観との調和よりも、コストパフォーマンスや実用性を重視する方にもおすすめできます。
シンプルな機能性を求める方にとって、ホームセンターの商品は合理的な選択肢と言えるでしょう。
設置スペースが広く確保できる
十分な設置スペースがあり、標準的なサイズのカーポートを問題なく設置できる方には、ホームセンターのカーポートでも問題なく機能します。
敷地に余裕があれば、既製品の寸法に合わせた設置が可能で、特にサイズ調整の必要がないため、手間も少なくなります。
広めの駐車スペースや庭があるご家庭の場合、標準サイズのカーポートで十分に対応できるため、ホームセンターのカーポートがそのまま設置できるでしょう。
また、周囲の建物との距離が十分に確保できる場合、デザイン面での制約も感じることなく、独自にカスタマイズできます。
敷地に余裕がある方にとっては、標準的な製品を選ぶことで、低価格でスムーズな設置が実現できるため、有利な選択肢となります。
エクステリア工事を得意とする業者に依頼した方が良い人の特徴
以下のような要望や条件がある方は、専門業者への依頼をおすすめします。
- 台風や積雪が多い地域で利用したい
- カーポートにオプションをつけて利用したい
- デザインにこだわって選びたい
- 設置場所のスペースが限られている
- 専門的な知識のある人にサポートしてもらいたい
長期的な視点で考えると、専門家のサポートを受けることで、より満足度の高い結果が得られる可能性が高いでしょう。
台風や積雪が多い地域で利用したい
気象条件の厳しい地域では、耐久性と安全性を重視した専門業者の商品がおすすめです。
ホームセンターのカーポートは、強度や耐久性が専門メーカーのものよりも低い可能性があるためです。
強風や積雪に耐えるためには、十分な強度を持つカーポートが必要です。
カーポートの専門業者が提供する商品は、耐風圧性能や耐雪性が高く、台風の常襲地域や豪雪地帯でも安心して使用できるでしょう。
例えば、毎年台風が上陸する地域や、1m以上の積雪が予想される地域では、ホームセンターのカーポートでは不安が残ります。
自然災害が起こりやすい地域では、高い安全性と耐久性が確保できるエクステリア工事の商品を選ぶことで、倒壊や飛散リスクを軽減するのがおすすめです。
カーポートにオプションをつけて利用したい
サポート柱や屋根補強材などのオプションパーツを追加したい方には、エクステリア工事業者への依頼がおすすめです。
専門業者では、強度アップや機能性向上を目的としたカスタマイズが可能です。
たとえば、大雪の多い地域や強風が頻発する場所では、追加の補強材を設置することで、カーポートの耐久性が大幅に向上します。また、将来的な拡張性を考慮して、あらかじめ追加パーツを取り付けておくことも可能です。
オプションパーツを活用することで、より使い勝手の良いカーポートを実現できます。
オプションを付けて利用したい方は、カスタマイズの自由度が高いエクステリア業者に依頼することをおすすめします。
デザインにこだわって選びたい
オリジナリティあふれるカーポートのデザインにこだわりたい場合は、エクステリア工事施工会社にお願いしましょう。
外構のデザインは、住まいの印象を大きく左右する要素です。エクステリア工事ができる業者なら、住宅の外観や街並みとの調和を考慮した細やかな提案が可能です。
たとえば、外壁の色味に合わせたカーポートのカラーコーディネートや、和モダンな住宅には木目調のテイストを取り入れるなど、美しさと機能性を両立させた選択肢が豊富にあります。
また、フラットルーフやアールデザイン、跳ね出し構造など、デザイン性の高い商品も扱っているため、独創的な外観を実現できるでしょう。さらに、照明計画や目隠しパネルの設置など、細部までこだわったトータルコーディネートも可能です。
3DCADによる完成イメージの確認もできるため、イメージ通りの仕上がりを実現しやすいというメリットがあります。
イメージ通りの仕上がりになることで、家、建物全体と調和したカーポートを設置することができ、外観のバランスもよくなり、結果資産価値も向上します。
設置場所のスペースが限られている
敷地に制約がある場合や、複雑な形状の土地では、専門業者のノウハウが必要不可欠です。
現場の状況に応じて、細かなサイズ調整が可能で、限られたスペースを最大限活用した設置が必要なためです。
たとえば、狭小地や不整形な土地にカーポートを設置する場合、専門業者は現地調査を基に、最適なサイズや配置を提案し、スペースを無駄なく活用できるでしょう。
また、建物との取り合いや周囲の障害物との関係にも精通しており、施工における技術的な課題をクリアする方法を提供してくれます。
例えば、柱を高さや位置調整だけでなく、屋根材の切断・延長等専門知識のある方に任せることができると設置後のトラブルを防止することが可能です。
このように敷地に独特な条件がある場合、専門業者に依頼することで、最適な設置と確実な施工が期待できます。
専門的な知識のある人にサポートしてもらいたい
カーポート設置に関する細かな相談や、専門的なアドバイスを求める方には、有資格者や経験豊富な専門家がいる業者がおすすめです。
専門業者では、カーポートの設置場所や目的に応じた最適な提案を受けられます。
また、地域のショールームでは、メーカーと提携していることも多く、最新の製品情報や設置事例を直接確認できます。
こうした施設では、実物を見ながら相談できるため、具体的なイメージが湧きやすく、納得した上で選べることもメリットです。
カーポート自体安い買い物ではなく、何年も使い続ける商品ですから、アフター含め、納得して購入することが重要となります。
専門家のアドバイスを受けることで、施工後のトラブルを軽減できるでしょう。
カーポートに関するよくある質問
カーポートの購入を検討する際によく寄せられる質問と回答を、3つご紹介します。
- ホームセンターで売っているカーポートは自分でも組み立てられますか?
- どのくらいの風に耐えられますか?
- 保証はありますか?
ホームセンターで売っているカーポートは自分でも組み立てられますか?
ホームセンターで販売されているカーポートは、DIY商品として提供されていることもあります。しかし、専門的な知識と技術が求められるため、素人による組み立てはおすすめしません。
特に基礎工事は、地盤の状態や法規制を考慮した上で行う必要があり、適切な工法を採用しなければ安定性が損なわれ、事故の原因となる可能性があります。
地盤が不安定な場所で基礎工事を誤ると、カーポートが倒れる危険性もあります。そのため、施工には経験豊富な専門業者の技術が欠かせません。安全面や耐久性を確保するためにも、DIYでの設置は避け、必ず専門業者に依頼することをおすすめします。
どのくらいの風に耐えられますか?
ホームセンターで販売されているカーポートの多くは、風速34m/s程度までの耐風圧性能を持っています。
ただし、これは新品時の理想的な状態での数値であり、経年劣化や設置状況によって実際の耐風圧性能は低下します。特に台風の多い九州地方などでは、基準風速V0=38m/s以上の耐風圧性能が望ましく、専門業者の商品を選択することがおすすめです。
保証はありますか?
ホームセンターのカーポートには一般的にメーカー保証が付帯していますが、保証内容には注意が必要です。一般的には製品自体には設置後製品2年、電装1年の保証が提供され、電気器具が含まれる場合は2年間の保証が適用されます。
しかし、保証内容は商品によって異なり、例えば自然災害や不適切な使用による破損は保証対象外となる可能性があります。強風や台風による損傷が保証されないことも。
そのため、購入前には保証条件をしっかりと確認し、自己責任での使用や保守が必要な場合もあることを理解しておきましょう。
まとめ
ホームセンターのカーポートは、コストを抑えられる点が最大の魅力です。一方で、耐久性や安全性、デザイン性に関しては制約があることを認識して検討しましょう。
特に、強風や大雪などの過酷な気象条件が予想される地域では、耐風圧性能や耐雪性を重視した商品を選ぶことが不可欠です。また、設置環境によっては、既製品では十分に対応できない場合もあるため、専門業者に相談することでより適切な選択が可能になります。
価格重視で選ぶ場合でも、安全性や長期的な耐久性をふまえて環境に合ったカーポートを選ぶことが、後悔のない買い物につながります。