ブロック上にフェンスを設置するための完全ガイド

フェンスを設置することは、住宅のプライバシーや安全性を向上させるための重要なプロジェクトです。特にブロックの上にフェンスを付けるときは、その効果をより高めることができます。しかし、計画や業者選び、施工の過程、さらにはメンテナンスまで、慎重に取り組むことが必要です。失敗しない為のフェンス工事を実施するためのポイントを解説します。
目次
1、フェンス工事を始める前に
目的を明確にする
まず、フェンスを設置する理由をはっきりさせましょう。その目的によって、最適なフェンスのタイプや配置が決まります。意外と漠然としてたり、何となくといった場合も多いので、防犯対策とかしっかりと目的をもって設置するようにしましょう。代表的な理由は下記です。
プライバシーの確保: 周囲の視線を遮ることで、家庭内で安心して過ごせる環境を作ります。ブロック上にさらにフェンスを設けることで、視線を遮断する効果を一層高めることができます。新築の分譲住宅に多いのですが、スチール製や安いタイプのフェンスが付いていたり、オープン外構みたく、全くついていなかったりする住宅も意外と多いものです。
安全性の向上: 小さな子供やペットの安全を確保し、外部からの侵入を防ぐために効果的です。2024年は押し込み強盗みたく、強引に敷地内に侵入した痛ましい事件が続発しました。
美観の向上: 家のデザインに調和するフェンスを選ぶことで、住宅全体の印象を引き立てます。ブロックの上に設置することで、立体感のあるデザインを作り出せます。
手入れに疲れた:植栽を植えていると最初は良いのですが、定期的な剪定や落ち葉の掃除、肥料、害虫対策と思ってもいなかった仕事が待ち構えています。元気なうちは良いのですが、高齢になったり、病気等思わぬ形で手入れが出来なくなり、面倒さからフェンスを設置する方もいらっしゃいます。
予算の策定
業者選びの前に、しっかりとした予算計画を立てましょう。
初期費用: 設計費、材料費、工事費が含まれます。フェンスの素材(木材、アルミ、スチールなど)やデザインによって、費用は大きく異なります。ブロックの上への設置は、強度のある素材が求められるため、通常よりもコストが高くなる場合があります。
維持費用: フェンスの寿命を延ばすためのメンテナンス費用や修理費用を計画に含めましょう。長期的な費用対効果を考慮してください。ただし、アルミ製や鋳物製など既製品の場合は定期的な掃除くらいでそんなに費用がかかりません。安い樹脂製フェンスは熱による劣化やゆがみ、音鳴りも発生するケースもあるので、10年を目途に考えましょう。
コストシミュレーションをする
予算を具体化するには、いくつかのシミュレーションを行います。フェンスの高さ、長さ、使用する素材などを基に見積もりを出し、それを基に計画を組み立てましょう。大体ブロック1段あたり20センチなので、2段だと40センチになります。アルミ製フェンスは高さ60センチ、80センチと20センチ刻みで最近は1.6メートルほどのフェンスも設置できるようになっております。
道路や、隣家の窓など外部からの視線と庭、デッキがあったらデッキの上、リビングからの視線を計算して、最低どれくらいの高さが必要かを考えておきましょう。それを事前に考えるだけで、かなり使いやすいフェンスとなります。気を付けないといけないのはフェンスを高くすると、コストも高くなり、また日当たりや風通しも悪くなるので、その辺は抑えておきましょう。
2. 自宅に合うフェンスを選ぶコツ

フェンスは家全体の雰囲気を大きく変えます。合うフェンスを選ぶには以下のポイントを押さえましょう。
素材の選び方
木材フェンス: ナチュラルな美しさが特徴ですが、定期的にメンテナンスが必要です。ペンキの塗り替えや防腐処理が求められます。初期コストは安いものの定期的なメンテ費用が掛かりますし、放置すると色あせやシロアリ等の害虫被害に遭うことも。隣家に迷惑かけたと笑えないケースもあります。
アルミフェンス: 軽量で耐久性があり、メンテナンスが少なくて済むのが特徴です。腐食や錆びに強いメリットがあります。最近の主流になります。デザインは木目、横張りが圧倒的です。
スチールフェンス: 強度が高く、セキュリティ効果が抜群ですが、錆びが発生しないように注意が必要です。定期的な防錆処理を行うと良いでしょう。コストは安いですが、目隠し効果はほとんどなく、境界フェンスといった意味合いのフェンスです。
デザインの選び方
- モダンなデザイン: シンプルで洗練されており、現代的な建築様式の家によく合います。
- クラシックなデザイン: 装飾性があり、伝統的な家や庭に調和します。フェンスに曲線や飾りを施すとさらに魅力的です。鋳物フェンスなどが該当します、ただし、高価な商品が多いです。
- ナチュラルデザイン: 緑を多く取り入れた庭には、自然素材のフェンスが調和します。竹やウッドのフェンスが一般的です。和風の家には本物の竹みたいなフェンス、自然素材使った家には木目のフェンス等よく使います。
高さとプライバシーのバランス
プライバシー重視: 背の高いフェンスが効果的ですが、視界を完全に遮らないように気を配りましょう。防犯対策にも泥棒が隠れやすい場所を作らないことが大事です。
景観重視: ローメンテナンスで開放感のあるデザインを選ぶと良いでしょう。風通しも考慮した設計がおすすめです。フェンスは門扉、玄関、家全体しいては近隣住宅とも馴染むかどうかを考えましょう。同じ木目でも、メーカーによって色合いが違います。安いからと言って色んなメーカーをごちゃまぜにするのではなく、と問えば玄関、サッシ等のメーカーのものを使うとコーディネートが綺麗にできます。意外と知らない方が多いので気を付けて下さい。コーディネートされた家はワンランク上の住宅として資産価値も高くなる傾向があります。
3. 業者選びのステップ

信頼できる業者を見つける
フェンス施工の成否は、信頼できる業者選びにかかっています。ここを間違うと悲惨な目に遭いますので本当に注意が必要です。
口コミとレビューの確認: 既存顧客からの評判を確認しましょう。ネット上のレビューや口頭での評判も役立ちます。グーグルマップや口コミサイトで安心できる業者かどうかを確認しましょう。長年、地元で商売されている業者はそれなりに固定客も多いので、安心の目安にはなります。
実績の確認: 過去の施工事例を参考にして、業者の技術力やデザインを評価します。自社工事なのか外注工事なのか、メーカー工事なのかでも違います。メーカー工事はコストは高くなりますが、技術、マナー、保証はきちんとついてます。『工事は自社工事ですか?』等聞いてみても良いと思います。 下見、見積も外注業者丸投げで工事対応も業者任せのところもあります。この辺はしっかりと聞いておきたいものです。
見積もりを比較する
いくつかの業者から見積もりを取り、それらを比較します。
明確な見積もり内容: 費用の詳細がしっかり明示されていることを確認し、複数の項目から過不足ないか判断しましょう。特に〇〇一式とか諸経費等あいまいな項目はしっかりと内容を確認しましょう。丁寧な業者でしたら、全て細かく明細迄添付してくれます。
内容のチェック: 価格だけでなく、価格に含まれる範囲や使用する素材、工事の日程などを確認しましょう。また、見積の有効期限も確認しましょう。キャンペーン期間中の金額につき・・・等価格が高くなったということも聞きます。逆に本日契約してくれたら〇〇万更に引きます!という訪問販売みたいな業者もいるので注意が必要です。
4. 契約と施工の準備

契約書の作成
業者が決まったら、しっかりと契約書を作成します。以下の内容を確認しましょう:
施工計画の詳細: 工事の開始日、終了日、変更対応について明記されていること。
保証の範囲: 施工後にどのような保証があるか、どのように対応するかを確認します。
支払い条件: 支払い方法や分割払いのオプションについても確認しましょう。前金、ローン等
メンテナンス:工事後のメンテナンスのやり方は大事です。意外と説明しない業者が多いです。
施工前の現地調査
施工前の現地調査は極めて重要です。確認すべき事項は以下の通りです
ブロック塀の強度確認: 必要であれば補強工事をする。安全重視です。昔は幅10センチ程度のブロックが多かったですが、最近は幅15センチのブロックが多く、このくらいの幅があるとフェンスも高さ1.6メートル程度まで設置できます。
正確な計測: フェンスを設置するための位置や高さを詳細に計測します。境界線や法的規制も事前にチェックします。エリアによっては高さ制限等設けているエリアもあります。条例等法規の確認が必要です。この辺は市役所の建築指導課でも無料で相談に乗って頂けます。
環境の確認: 施工期間中の障害物や騒音、ご近所への配慮について事前に考慮しておきます。フェンスの工事で一番気を付けなければならないのは近隣への配慮です。いきなり背の高いフェンスを勝手に付けて思わぬトラブルになった例は後を絶ちません。フェンス付けたら、暗くなった、風通しが悪くなった等ならないよう、本人だけでなく、業者にも事前に相談しておきましょう。
現物の確認 フェンスは大体カタログだけでなく、色サンプル等用意しているメーカーも多いので、実際の色合いが自分の家にマッチするかどうかを確認しておきましょう。大体、メーカーと付き合いしている業者でしたら、自社でも持っているものです。
提案ツール 親切な業者ですと、見積に合成写真を添付してくれる業者もあります。取り付けた現場の仕上がりが工事前に確認できますので、イメージと違った等が無くなります。
5. 施工中のプロセス
工事の管理監督
施工が始まった後も、進捗をしっかり管理します
進捗確認: 工事が計画通りに進んでいるかを定期的にチェックします。
質の確認: 使用されている素材と施工技術が契約内容と一致しているか確認しましょう。商品名と契約時の商品名が合っているかどうかの確認が必要です。工事している業者は慣れていますから、聞いても教えてくれますよ。
業者とのコミュニケーション
施工中は業者とのコミュニケーションが不可欠です。
定期的な報告受け取り: 工事の進捗状況を定期的に確認し、問題があれば迅速に対応します。
疑問点の解消: 分からないことはその都度確認し、誤解や行き違いを防ぎます。過度に質問したりすると工事の進行が遅れてしまいます。その点、注意しながら、簡潔に済ませていきましょう。
6. 施工後のチェックとメンテナンス
最終確認
施工完了後には以下の確認を行います
契約内容との一致: フェンスの設置状況が契約で決めたとおりになっているか確認します。
仕上がりのチェック: 色むらや傷、取り付けの歪みがないかを確認してください。傷等も確認しましょう。
定期的なメンテナンス
フェンスを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが重要です:
メンテナンス契約: 業者と定期点検や清掃の契約を結ぶと良いでしょう。地元の業者ですと、工事終了後に確認したり、台風後に点検の連絡があったりします。ほとんどの場合、メンテナンスは掃除くらいなので、費用は掛からないことが多いです。メーカーの保証書にも手入れ方法が書いてありますので、年末くらいは掃除しておきたいものです。 この辺は車の洗車と同じです。
自己点検: 自分でもフェンスの状態を定期的にチェックし、問題があれば業者に連絡します。ただし、安全のため、高所作業などはプロに任せましょう。台風や地震後には確認し、異常が見つかったら業者に相談しましょう。
7. 万が一のトラブル対応

迅速な問題解決
トラブルが発生した場合に備えて、事前に対応策を確認しておきます:
保証制度の活用: 保証期間内は、無償で修理が可能か確認し、必要があれば業者に修理を依頼します。メーカー品であれば、一定の保証期間がありますし、長期保証サービス(有料)もありますので、確認しておきたいものです。
業者への連絡: トラブルが発生した際はすぐに業者に連絡して、最適な解決策を相談しましょう。会社連絡先、個人、LINE等すぐ相談できる関係性は持っておきたいものです。
まとめ

ブロック上にフェンスを設置するには、事前に計画を練り、信頼できる業者を選び、適切な施工と維持を行うことが大切です。また、素材やデザインの選択においても、慎重に検討する必要があります。これらのステップをしっかりと行い、理想的なフェンスを実現しましょう。このガイドがあなたのプロジェクトのお役に立つことを願っています。
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