バイクも保管できるカーポートとは?メリット・デメリットや費用相場も解説

住宅に後付けできるカーポートでは、車だけでなくバイクも保管できることはご存じでしょうか?
限られた敷地内で、車もバイクも保管したい方にとって魅力的な選択肢ですが、バイクの寿命を長く保つためには気を付けたいこともあります。
今回は、バイクも収納できるカーポートに関するさまざまな選択肢を比較しながら、カーポートでのバイク保管について詳しく解説していきます。
車とバイクの両方を所有している方にとって、最適な保管方法を見つけるヒントになる記事です。
目次
バイクを保管する方法
バイクの保管方法は、予算や利用目的、スペースの広さによって選択肢が異なります。
単純なカバーから本格的なガレージまで、それぞれに特徴があり、メリット・デメリットが存在します。
ここでは、代表的な保管方法について、特徴や使い勝手を詳しく見ていきましょう。
バイクカバー
手軽で経済的なバイク保管方法がバイクカバーです。
1,000円台から高級なものでも2万円程度で購入できる防水性のカバーで、使用しないときにバイクを覆うだけのシンプルな機能です。
雨や直射日光からバイクを保護する基本的な機能は果たせます。また、屋外だけでなく屋内での使用でも、ホコリやゴミが付着するのを防げるでしょう。
取り付けも簡単で、バイクをカバーで覆い、専用のストラップやゴムで固定するだけです。
しかし、強風時にカバーが飛ばされる可能性があります。また、バイクカバーは防犯には直接役立ちません。盗難防止には、ロックやアラームなどの併用が不可欠です。
カバーの内側で結露が発生し、錆びの原因となることも。完全な保護とは言えませんが、予算が限られている場合や一時的な保管方法として広く利用されています。
簡易ガレージ
簡易ガレージは、テント状の構造で、組み立て式の簡易的なガレージです。
2万円から5万円程度で購入でき、設置も比較的容易です。
バイクカバーよりも確実な保護が可能で、側面まで完全に覆えるタイプの場合、風で飛ばされる心配が少なく、カバーと違って結露が発生しにくい点も魅力です。
DIYで組み立てられる製品が多く、工具を使った経験が少ない人でも比較的簡単に設置できるでしょう。
ただし、強風や大雪には弱く、耐久性にも限界があります。また、見た目も簡素なため、住宅の外観を重視する方には不向きかもしれません。
定期的なメンテナンスや張り替えが必要となる場合もあります。
サイクルポート
サイクルポートは主に自転車用に設計されたポートですが、バイクの保管にも利用できる設備です。
10万円から30万円程度で、屋根と支柱による基本的な構造を持ちます。
金属やポリカーボネート製の屋根材が使用されているため、耐久性は簡易ガレージより優れており、見た目もすっきりとしています。
雪や強風にも比較的強く、頻繁にメンテナンスを行わなくても安定した性能を発揮できる点がメリットです。
地面に固定するタイプが主流で、強風や雨の際も安定感を保てるでしょう。
ただし、サイズが小さめで、大型のバイクには不向きな場合があります。また、側面が開放されているため、風雨が強い時は十分な保護とならない可能性があります。
バイク用ガレージ
バイク用ガレージは、バイク専用に設計された本格的なガレージです。
20万円から50万円程度で設置でき、耐久性が高く、確実な保護が可能です。
金属製や樹脂製の頑丈な素材で作られており、雨風や直射日光、大雪などの過酷な天候条件からバイクをしっかり守ります。
扉付きのタイプもあり、防犯面でも安心です。温度や湿度の管理もしやすく、バイクの劣化を最小限に抑えられるでしょう。
電源を引き込んで換気装置や除湿機を設置することで、バイクに最適な保管環境を整えることも可能です。
ただし、設置には一定のスペースが必要で、建築確認が必要となる場合もあります。また、車の駐車スペースは別途必要となるため、敷地に余裕が必要です。
カーポート
カーポートはもともと車用に設計された屋根付きの駐車スペースですが、頑丈な構造と広さを活かして、バイクの保管にも利用できます。
設置費用は比較的高額で、30万円から100万円程度かかるでしょう。
車とバイクを同時に保管できるのが最大の特徴です。耐久性も高く、長期的な使用に適しています。車とバイクが並んでいても屋根でしっかり覆われているため、雨や紫外線から愛車を守ることが可能です。
金属製やアルミ製のフレームを採用したカーポートは、風雨や雪に対して高い耐久性を発揮します。中には台風や積雪に対応する強化タイプもあり、長期間の使用に適しています。
サイズや素材、屋根の形状(片流れ、アーチ型など)を選べるため、敷地や住宅の雰囲気に合ったカーポートを設置できる点も魅力です。
カーポートにバイクを保管するメリット
カーポートでバイクを保管することには、主に3つのメリットがあります。
- サイクルポートよりも屋根が大きいので雨を凌ぎやすい
- 地面などからくる湿気から守れる
- 保管場所を複数取らなくて良いのでトータルの費用が抑えられる
特に車も所有している場合、スペースの有効活用と維持費の削減につながるでしょう。また、耐久性の高い構造により、長期的な保管が可能です。
ここでは、カーポートでバイクを保管する際の主なメリットについて詳しく解説していきます。
サイクルポートよりも屋根が大きいので雨を凌ぎやすい
カーポートはもともと車の保管を想定して設計されているため、屋根の大きさがサイクルポートと比べて格段に広くなっています。
そのため、強い雨や雪の日でも、バイクに雨水が掛かりにくくいことがメリットです。
雪が多い地域では、耐雪仕様のカーポートを選ぶことで、積雪の重みに耐えられる構造を確保できるでしょう。
サイクルポートに比べて柱が太く、屋根材も頑丈に作られているため、雪が積もっても安心です。
また、屋根の軒先を伸ばしたタイプを選べば、より広い範囲を保護できます。
雨天時のバイクのメンテナンスや乗り降りの際も、十分なスペースが確保できるため、快適に使用できます。
地面などからくる湿気から守れる
カーポートは、雨や紫外線からの保護だけでなく、地面から上がってくる湿気にも配慮した設計が可能です。
基礎工事や適切な排水設計が行われることで、湿気や水分によるバイクの劣化を防ぎ、長期間にわたって良好な状態を維持できます。
たとえば、コンクリート土間やアスファルト舗装と組み合わせると、地面からの湿気の上昇を防ぎ、バイクの下回りの錆びを予防できます。
また、屋根があることで空気の流れが生まれ、結露の発生も抑制できるでしょう。
地面に傾斜を付けたり、排水溝を設置することで、雨水がたまらず速やかに流れる仕組みも構築できます。
保管場所を複数取らなくて良いのでトータルの費用が抑えられる
車用カーポートとバイク用ガレージをそれぞれ設置する場合、それぞれの工事費用がかかり、全体の初期費用が高額になります。
一方で、車とバイクを一緒に保管できるカーポートを設置すれば、1回の設置費用で済むため、初期投資を抑えることが可能です。
また、設置スペースも一か所に集約できるため、敷地を効率的に活用できます。メンテナンスや修繕費用も一括で管理できるため、長期的なコスト削減にもつながるでしょう。
保管場所が複数ある場合に比べて、清掃や点検の手間も半分です。
カーポートにバイクを保管するデメリット
カーポートでのバイク保管には主に3つの課題も存在します。
- 強風によって横から入ってくる雨を完全には防げない
- 風によるバイクの転倒の対策が大切
- 壁がないので防犯対策が必要
上記の課題は適切な対策を講じることで解決できます。
強風によって横から入ってくる雨を完全には防げない
カーポートはその名の通り「ポート(屋根)」としての役割を果たすシンプルな構造が特徴です。
屋根部分のみで側面を保護する壁がないため、強風を伴う雨や雪の際に横からの吹き込みを完全に防ぐことは困難です。
強風を伴う雨の際には横から雨が吹き込んでしまう可能性があります。特に台風シーズンや冬の季節風が強い時期には、バイクが濡れたり、風にあたる被害は免れないでしょう。
冬に季節風が強くなる地域では、風が横殴りの雨や雪を運び、バイクに直接当たる場合があります。また、雪の場合、側面に積もった雪が融けて水となり、バイクの下回りやタイヤ周辺を濡らしてしまうことも。
濡れたバイ
濡れたバイクを放置すると錆の原因となるため、悪天候後の手入れは欠かせません。
風によるバイクの転倒の対策が大切
開放的な構造のカーポートでは、強風時にバイクが転倒するリスクがあります。
風の影響を受けやすい場所に設置されたカーポートやバイクの車種によっては、予期せぬ突風や風向きの変化でバイクが倒れてしまうでしょう。
軽量なバイクやスクーターは、風の影響を受けやすいです。強風の中ではサイドスタンドが十分に安定しない場合があり、転倒しやすくなります。
スタンドがしっかりと地面に接していない場合や、スタンドが長すぎる場合などでは、風圧を受けてバイクが倒れてしまうでしょう。
風の力で車体が倒れると、バイク自体に損傷が生じるだけでなく、近くに駐車している車や物に対しても危険を及ぼす可能性があります。
壁がないので防犯対策が必要
カーポートは開放的な構造をしているため、防犯対策が欠かせません。
バイクの盗難や部品の持ち去りなどのリスクが、完全に囲われたガレージと比べて高くなります。
高価なバイクや人気のある車種が人気のない場所に置いてあると、盗まれてしまうかもしれません。バイクの部品も盗難の対象となりやすいです。
また、いたずらや破壊行為の対象となる可能性もあります。夜間の視認性が低い場所では特に注意が必要です。
防犯カメラやセンサーライトなどの追加的な設備が必要になる場合もあり、防犯のための費用も考慮に入れる必要があります。
バイクをカーポートで保管する際の不安への対策
デメリットは存在するものの、適切な対策を講じることで、カーポートでのバイク保管をより安全で快適なものにすることができます。
ここでは、主な課題に対する具体的な対策方法を紹介します。
雨や風を避けるためにサイドパネルを設置する
サイドパネルは、カーポートの側面に取り付ける壁のような部材のことです。
風雨からバイクを守り、風による飛散物や落ち葉なども防ぐことができるため、車両やバイクの外観を維持できます。
サイドパネルには、透明なポリカーボネート製や、デザイン性の高いアルミパネルなど、さまざまな種類があります。
サイドパネルは、必要に応じて追加することが可能です。最初は必要最小限の設置で始めて、風や雨の影響が強いと感じた場合に、後から追加でパネルを取り付けることもできます。
予算や必要性に合わせて柔軟に対応できるのが大きな魅力です。
バイクカバーをかけておく
カーポート内に駐輪する際、バイクカバーを併用することによって、さらに強力な保護効果を発揮します。
特にカーポートだけでは十分に防げない紫外線や風雨からバイクを守り、長期間にわたる劣化を防ぐために効果的です。
紫外線は目に見える被害がなくても、徐々に車体の塗装を劣化させるため紫外線ブロックも徹底したいところです。
耐久性の高い厚手のカバーを選び、風で飛ばされないように裾部分をしっかりと固定しましょう。
カバーは紫外線や埃からもバイクを守るだけでなく、見た目も隠すことができるため、防犯対策としても有効です。
ただし、カバーの内側で結露が発生しやすいため、通気性の良いものを選び、定期的に外して換気してください。
転倒防止のためにギアは1速に入れておく
バイクを駐車する際は、必ずギアを1速に入れておくことで、転倒のリスクを軽減できます。
バイクを駐車した際、ギアがニュートラルのままだと、風や傾斜によってバイクが不安定になり、動き出してしまう可能性があります。
強風や突風が吹くとリスクが高くなるため、駐車時にはギアを1速に入れておきましょう。
また、サイドスタンドの角度をできるだけ寝かせ、地面との接地面積を広くすることも有効です。地面との接地面積が広くなり、バイクが転倒するリスクが低減します。
さらに、転倒防止用のスタンドや専用のロックを使用することで、より確実に転倒を予防できるでしょう。
カーポートを設置する際の期間や流れ
カーポートの設置にかかる期間は、計画から完了まで通常確認申請の時間を除いて、2~3週間(年末、お盆前等繁忙期除く)です。
まず、予算や設置場所、カーポートのサイズ、デザインなどの要件を業者に伝え、希望に合った提案をもらいます。
業者は現地調査を行い、土地の状況や設置に必要なスペースを確認します。見積もりの際は地元の建築基準や規制についても確認しておきましょう。
カーポートの設置に建築確認申請が必要な場合、設計内容を基に申請書を提出します。申請には2~3週間程度かかる場合があるため、この期間を考慮に入れてスケジュールを立てることが必要です。
実際の工事期間は、基礎工事に3~4日、本体の組み立てに2~3日程度を要します。天候や地域の規制、追加オプションの有無によって期間は変動します。
カーポートの費用相場
カーポートの費用は、サイズや仕様によって異なります。
標準的な1台用カーポートの場合、工事費込みで30万円~50万円程度が相場です。
ポリカーボネート製の屋根を使用する場合、軽量で耐久性に優れているため価格が若干高くなることがあります。
2台用のカーポートになると、50万円~80万円程度が相場です。
2台用はサイズが大きくなるため、基礎工事やフレームの強度を高める必要があり、費用が増加します。
敷地が傾斜している場合や、狭い場所に設置する場合は、工事費が高くなることがあります。
バイク保管用のスペースを確保する場合、追加の面積や補強が必要となり、10万円前後の追加費用が発生するでしょう。
サイドパネルや照明などのオプションを付ける場合は、さらに費用が必要です。
バイクも保管できるカーポートのおすすめ3選
ここでは、バイク保管にカーポートを3つご紹介します。
LIXIL カーポートSW 900タイプ
耐風圧強度 | 46m/秒相当 |
耐積雪強度 | 30cm相当 |
屋根材 | 遮光折板屋根を採用 |
参考価格 | 1台用523,300円〜 |
LIXILのカーポートSW 900タイプは、風や雪に強い設計が特徴のカーポートです。
耐風圧強度が高いため、台風などの強風にも耐えられることが特徴です。九州や四国、東海地方などの風害が多い地域で選ばれています。
雪が降らない地域でも人気があり、遮光性のある屋根材は車を日光から守り、愛車を長持ちさせます。また、太陽光パネルを設置することも可能です。
施工完了日から2年間の保証が付いており、適正な使用状態で発生した不具合については修理費無料のため、安心して設置できます。
YKK AP ジーポート Pro
耐風圧強度 | 最大46m/秒 |
耐積雪強度 | 30cm~最大300cm |
屋根材 | スチール折板 |
参考価格 | 1台用676,400円~ |
YKK APの「ジーポート Pro」は、耐久性とデザイン性を兼ね備えた高性能カーポートです。
雪に対しては最大300cmの耐積雪性能を持つモデルもあり、豪雪地域でも安心です。
シンプルでフラットな形状のため、住宅の外観に調和しやすいデザイン性も兼ね備えています。カラーオプションも豊富で、木調の仕上げなども選べます。
柱や梁の色を選ぶことができ、最大11パターンの組み合わせが可能です。屋根を張り出してアプローチを作るなど、用途に応じたアレンジもできます。
安定感がありながらもオリジナリティを出せるカーポートとして、住宅の外観にこだわりたい方に選ばれています。
三協アルミ カーポート G1-R
耐風圧強度 | 最大46m/秒相当 |
耐積雪強度 | 最大200cm相当(地域に応じて選択可能) |
屋根材 | ガルバリウム鋼板 |
参考価格 | 1台用648,600円~ |
三協アルミのカーポート「G1-R」は、豊富なカスタマイズオプションが特徴のカーポートです。
シンプルでスタイリッシュなフラット屋根デザインが特徴で、住宅の外観に調和しやすいです。
カラーオプションも豊富で、サンシルバー、アーバングレー、ダークブロンズ、ブラックなどから選べます。
柱間隔が最大7800mmまで対応可能で、大開口スペースを確保できます。また、屋根の形状や色を選ぶことができ、住宅のデザインに合わせたカスタマイズが可能です。
バイクも保管できるカーポートに関するよくある質問
カーポートでのバイク保管について、よくある質問と回答を3つまとめました。設置を検討する際の参考にしてください。
実際の設置に当たっては、専門業者に具体的な相談をすることをおすすめします。
カーポートはどのようなバイクサイズまで対応していますか?
一般的なカーポートは、ほとんどのバイクサイズに対応可能です。
標準的な1台用カーポートの場合、幅2.7m×奥行5mほどのスペースがあり、大型バイク(1000cc以上)でも十分なスペースを確保できます。
ただし、車両と同時に保管する場合は、余裕を持った配置計画が必要です。
また、バイクの出し入れのための通路幅も考慮する必要があり、最低でも1m程度のスペースを確保することをおすすめします。
カーポートにバイクを保管する際、雨風や紫外線からどの程度守れますか?
カーポートの屋根は、垂直に降る雨や直射日光からは90%以上の保護効果があるといわれています。
ポリカーボネート製の屋根材は紫外線を98%以上カットする性能を持っています。
ただし、標準的な仕様では斜めから降る強い雨や風からの完全な保護は難しいです。サイドパネルを設置すると、風雨からの保護効果が向上し、約80%程度の雨風を防ぐことが可能になります。
バイクの転倒対策はどのようなことをしたら良いですか?
転倒対策の基本は、まずバイクを安定した場所に駐車することです。
地面が平らで固い場所を選び、サイドスタンドを立てます。補助的な対策として、専用のバイクスタンドや転倒防止プレートの使用もおすすめです。
また、強風が予想される場合は、バイクカバーを装着する際に裾部分をしっかりと固定し、必要に応じてロープやバンドで補強しましょう。
まとめ
カーポートでのバイク保管は、車両とバイクの両方を保護できる点で、長期的に見ると経済的にも愛車を守る点でも魅力的な設備です。
保管スペースを十分に確保してサイドの保護を補強すると、快適なバイクライフをサポートできるでしょう。
DIYでも設置できますが、強度や安全性の観点からは専門業者に取り付けてもらうのがおすすめです。
この記事を参考に、カーポートでのバイク保管を検討してみてください。