外構フェンスの値段はどれくらい?設置の費用相場やメリット・デメリットもご紹介

住宅において、プライバシーの保護や防犯対策、さらには住まいの印象づくりの役割を果たしてくれるのが外構フェンスです。
設置をするなら、おしゃれで機能性も高いフェンスを選びたいという方も多いでしょう。
しかし、フェンスの設置を検討する際に気になるのが費用です。外構フェンスの費用は素材やデザイン、高さによって異なります。
今回は、後付けフェンスの費用相場から、種類別のメリット・デメリットまで詳しくご紹介するので、設置の参考にしてみてください。
目次
住居の外に設置するフェンスを設置する理由

外構フェンスの役割は、下記のようにさまざまです。
- プライバシーの確保
- 防犯対策
- 敷地の境界を明示する
- 騒音の軽減
- 外観の向上
- ペットや子供の安全確保
なかでも主な理由は、プライバシーの確保と防犯対策です。
道路からの視線を遮ることで、家族の生活空間を守り、安心して庭やテラスでくつろげます。
また、不審者の侵入を防ぐ防犯効果も期待できます。
さらに、デザイン性を重視して選ぶと、街並みとの調和や住宅のデザイン性を高めることも可能です。
特に戸建て住宅では、敷地の境界を明確にし、近隣とのトラブルを未然に防ぐ役割も果たします。
フェンスの種類ごとの費用相場

フェンスの設置費用は、素材や仕様によって異なります。
一般的な住宅用フェンスの場合、1mあたり2万円から10万円程度が相場です。
以下、主な種類別の特徴と費用をご紹介します。
スチールフェンス
スチールフェンスは、フェンスの中でも比較的安価な素材です。
耐久性が高く、メンテナンス性にも優れているため、多くの住宅で採用されています。
スチールフェンスは、材料の価格が1mあたり4,000円~30,000円ほどとなっており、平均で1mあたり8,000円から40,000円程度で設置可能です。
デザインも豊富で、シンプルなものから装飾的なものまで幅広く選べます。
ただし、経年劣化による錆びには注意が必要です。防錆処理や定期的な塗装によって、長期使用にも耐えられるでしょう。
比較的安価なため、初期費用を抑えたい方におすすめです。
アルミフェンス
軽量で耐久性に優れたアルミフェンスの材料費は、1mあたり約5,000円~10,000円程度が相場です。
材料費と施工費を合わせた総費用は、1mあたり約10,000円から60,000円程度となるでしょう。
アルミフェンスは、錆びに強く、メンテナンスの手間が少ないのが特徴です。
デザインやカラーバリエーションも豊富で、住宅の外観に合わせたスタイルを選択できます。
アルミフェンスはフェンスの中で圧倒的にボリュームが大きく、木目やグレー系が好まれます。
また、重量が軽いため、比較的簡単に設置が可能です。
ただし、スチールと比べると強度は若干劣るため、台風が多い地域では設置位置や仕様に注意しましょう。
アルミはリサイクル可能な素材なため、環境に配慮した持続可能性を重視する方におすすめの素材です。
ウッドフェンス
天然素材の温かみが特徴のウッドフェンスは、材料費のみで、1mあたり約5,000円から15,000円程度が相場です。
業者に依頼する場合は、施工費用を含めて、1mあたり約15,000円から40,000円程度です。
自然な風合いと高級感があり、和風から洋風まで様々な住宅デザインに調和します。ただし、定期的な防腐処理や塗装が必要で、メンテナンス費用も考慮する必要があります。
耐久性は他の素材と比べて劣りますが、経年変化による味わいを楽しめるのも魅力です。自然素材にこだわる方や、温かみのある外観を望む方に適しています。
竹垣フェンス
和の趣を演出する竹垣フェンスの材料費は、1mあたり約25,000円から35,000円程度が相場です。
材料費と施工費を合わせた総費用は、1mあたり約30,000円から60,000円程度となるでしょう。
天然の竹材を使用することで、独特の風情と落ち着きのある外観を実現できます。和風住宅はもちろん、モダン住宅のアクセントとしても人気があります。
ただし、天然素材のため耐久性には限界があり、5~10年程度で交換が必要になることも。
定期的な防虫・防腐処理も欠かせません。和の雰囲気を大切にしたい方におすすめの選択肢です。
鋳物フェンス
高級感のある鋳物フェンスは、材料費は、1mあたり約15,000円から25,000円程度が相場です。
材料費と施工費を合わせた総費用は、1mあたり約20,000円から200,000円程度で、最も高価な選択肢です。
重厚感のあるデザインと高い耐久性が特徴で、洋風住宅や豪邸によく採用されています。錆びにくく、メンテナンス性も比較的良好です。
デザインも曲線的な装飾から直線的なものまで、豊富なバリエーションから選べます。ただし、重量があるため、設置には堅固な基礎工事が必要です。
格調高い外観を求める方におすすめです。
フェンス設置の工事費用の相場

フェンスの設置費用は、材質や長さ、高さによって変動します。
一般的な住宅用フェンスの場合、1mあたり15,000円から40,000万円程度が相場です。
アルミフェンスは比較的安価で、10mの設置で15万円前後、スチールフェンスは同じ長さで20万円前後です。
高級感のある鋳物フェンスになると30万円以上かかることもあります。基礎工事や既存フェンスの撤去が必要な場合は、追加費用が発生します。
特に傾斜地や障害物が多い場合、施工が難しくなり、追加費用が高くなりがちです。
フェンスを設置する際に費用を抑える方法
材質の選択や施工方法の工夫で、フェンスの設置費用を抑えることが可能です。ホームセンターでの購入や、業者の選定方法を工夫することで、大幅なコスト削減が可能となります。
- ホームセンターや通販で安いフェンスを購入して、設置のみ業者に依頼する
- フェンスのグレードを下げてコストを下げる
- 取り付け場所に合わせて種類を変える
- 業者に依頼せず、自分で設置する
ホームセンターや通販で安いフェンスを購入して、設置のみ業者に依頼する
材料費を抑えるため、ホームセンターや通販サイトでフェンスを直接購入する方法があります。
業者による材料の仕入れと比べて20~30%程度安く購入できることが多く、大きな節約になるでしょう。
ただし、購入前に設置予定の業者に相談し、取り付け可能な製品かどうかの確認が必要です。
加えて、バリエーションが少なく、安価な商品が多いため理想の商品が見つからない恐れもあります。
また、運搬費用や保管場所の確保など、追加の手間が発生することも考慮しましょう。
フェンスのグレードを下げてコストを下げる
高級感や耐久性を多少犠牲にすることで、大幅なコスト削減が可能です。
アルミフェンスの場合、装飾の少ないシンプルなデザインを選ぶことで、見た目は大きく変わらなくても価格を2~3割程度抑えられます。
ただし、耐久性や防錆性能が低下する可能性があることは念頭に置いておく必要があります。
木目のフェンスの場合は表裏が木目のものと片面が木目のものを上手く使い分けることでコストダウンが可能です。
グレードを下げても、盤石な基礎や気候条件に合った素材といった安全性はしっかり確保しましょう。
取り付け場所に合わせて種類を変える
敷地の状況に応じて、部分的に異なる種類のフェンスを組み合わせることで、コストを抑えます。
人目につきやすい道路に面した正面側は見栄えの良い製品を使用し、隣地との境界側や勝手口側は比較的安価な製品を使用するなど、メリハリをつけた選択が有効です。
目隠しが必要な場所のみ高いフェンスを設置し、それ以外は低めのフェンスにすることでも、総費用を抑えられます。
一部を生垣や格子フェンスにすることで、自然な雰囲気を演出しながらコスト削減を図るのも一案です。
業者に依頼せず、自分で設置する
DIYでフェンスを設置することで、工事費用が0円になります。
支柱の基礎工事が不要なブロック塀への取り付けや、単純な形状の設置であれば、初心者でも十分に対応可能です。
一方で、地面に直接支柱を立てる場合は、掘削やコンクリートでの固定が必要になり、作業の難易度が上がります。
ただし、正確な採寸や水平・垂直の確認、適切な工具の使用など、基本的な作業スキルは必要です。
切断加工が必要なケースがほとんどとなるため、作業難易度は高くなります。
また、重量物の取り扱いや高所作業が伴うため、安全面での配慮も重要です。
フェンスを設置するメリット

フェンスを設置すると、プライバシーの確保や防犯対策に役立ちます。
通行人や隣家からの視線を遮ることで、快適な生活空間を確保できるでしょう。また、敷地の境界を明確にすることで、トラブルを防ぐことが可能です。さらに、小さな子どもやペットが外へ飛び出すのを防ぐ安全対策にもなります。
風よけや防音効果もあり、外部の騒音を軽減し、落ち着いた環境を実現できます。さらに、デザイン性の高いフェンスを選ぶことで、住宅の外観を美しく演出することも可能です。
総合的に見て、フェンスの設置は快適で安全な居住空間を作るサポートになります。
フェンスを設置するデメリット
フェンスの設置にはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。
高いフェンスが周囲を囲むことで、開放感が失われ、居住空間が圧迫されると感じることが多いです。
目隠しを重視したフェンスは、光を完全に遮ることがあるため、庭や室内の明るさを遮ります。また、風通しが悪くなることで、湿気がこもりやすくなり、カビが発生するかもしれません。
フェンスが隣家の日当たりを遮る場合や、設置工事中の騒音について、隣人から苦情が出る可能性もあります。
設置前に、リスク回避策を講じておくことが必要です。
フェンスを選ぶポイント
フェンスを選ぶ際は、下記の4点に注意すると不要なトラブルを防げます。
- どれくらいの高さが必要かを確認する
- 圧迫感が出ない高さ・素材を選ぶ
- 風や太陽光を遮断しすぎないかを確認する
- 住宅のデザインと合わせる
どれくらいの高さが必要かを確認する
目的に応じてフェンスの高さを設定します。
プライバシーを重視する場合、目線を遮る1.5m以上の高さが必要です。しかし、高すぎると圧迫感が生じるため、適切なバランスが求められます。
防犯対策としては、2m以上で登りにくいデザインや、外からの視線を適度に遮る構造が有効です。
一方で景観を重視する場合は、1.2m程のあまり高すぎないフェンスがよいでしょう。
建築基準法では高さ2.2メートル以下となっているので、この基準を超えないように注意してください。
また、小さな子どもやペットが安全に過ごせるようにするためには、隙間のないフェンスがおすすめです。
地域の規制にも注意しながら、目的に合った高さのフェンスを選びましょう。
圧迫感が出ない高さ・素材を選ぶ
圧迫感を抑えるためには、高さと素材を厳選すると、圧迫感を抑えながらもフェンスの役割を維持できます。
高さが2mを超えると閉鎖的な印象を与えやすいため、1.2~1.8m程度が適度とされています。
また、完全な目隠しタイプではなく、ルーバータイプや格子状のデザインを選ぶことで、通風性を確保しながら開放感を演出できるでしょう。
素材選びも大切で、木製やアルミフェンスは柔らかい印象を与えやすく、アイアンフェンスは重厚感があります。
フェンスの周囲に植栽を配置するのもおすすめです。自然な雰囲気を作り出し、圧迫感を軽減できます。
住宅の雰囲気に合わせたデザインを選びつつ、圧迫感を軽減する工夫を取り入れましょう。
風や太陽光を遮断しすぎないかを確認する
フェンスの設置では、風や太陽光の影響も考慮する必要があります。
完全に視線を遮るタイプのフェンスは、風通しが悪くなり、夏場に熱気がこもる原因です。太陽光を完全に遮ってしまうと、庭や室内が暗くなってしまう可能性もあります。
通風性を確保するためには、適度な隙間があるデザインや、ルーバータイプや縦格子状のスクリーンタイプのフェンスが人気です。
ルーバータイプのフェンスは、目隠し効果と風通しを両立させたデザインのフェンスで、視線を遮りながらも風通しを確保できます。
縦格子状のスクリーンタイプは十分な高さがあるため、プライバシー空間を作る機能は確保しつつ、適度な隙間を持たせているので、光や風をしっかりと取り込むことが可能です。
採光を考慮し、網目や隙間のあるフェンスを選ぶと、快適な住環境を維持しやすくなります。
住宅のデザインと合わせる
フェンスを選ぶ際には、住宅のデザインとの調和も重要なポイントです。
モダンな住宅には、シンプルなアルミやスチール製のフェンスが適しており、ナチュラルな住宅には、木目調のフェンスがよく馴染みます。
また、色や質感を外壁や門扉と統一することで、統一感のある外観を作れます。フェンスが浮いた印象にならないよう、デザインや素材を慎重に選びましょう。
また、植栽と組み合わせることで、自然な仕上がりを演出することも可能です。
住宅全体の雰囲気を損なわず、美しい外観を保つために、バランスの取れたフェンス選びを心がけましょう。
おすすめのフェンス3選
ここでは、初心者でも設置しやすいおすすめフェンスを3種類ご紹介します。
- LIXIL フェンスAA,AB
- 三協アルミ シャトレナⅡ
- YKK AP ルシアスフェンス
住宅に合うフェンスを探す際の参考にしてください。
LIXIL フェンスAA,AB
フェンスAAは、木の質感を再現したデザインが特徴で、ナチュラルな外観が特徴です。
全体的に木調の仕上げが施されており、住宅との調和を重視しています。
横ルーバー、縦スリット、目隠しタイプなど、さまざまなデザインが用意されています。特に、目隠し効果が高いデザインが多く、プライバシーを重視する方におすすめです。
フェンスAAは、中~高グレードのフェンスで、デザインと機能にこだわっています。横ルーバー、縦スリット、目隠しなど選択肢があり、風通しのよいルーバータイプが人気です。
最近はグレー調や高級木に近い木目調を採用した画期的なフェンス、ラインライトを内蔵した商品も販売しており、他の商品とは一線を画した開発力も魅力的です。
フェンスABは、8デザイン19タイプがあり、完全目隠しから通風を考慮したデザインまで選べます。異なるデザインを連結することも可能で、用途に応じてカスタマイズできます。
三協アルミ シャトレナⅡ
シャトレナⅡは、フレームレスでフラットなデザインを採用しており、木調の質感が特徴です。住宅の外観と調和しやすく、ナチュラルな雰囲気を演出します。
1型から6型までの6つのデザインスタイルがあり、横ルーバー、縦格子、片面木調、両面木調など、用途や好みに応じたカスタマイズが可能です。
最大横幅は2000mm、高さは600mm、800mm、1000mm、1200mmの4種類から選べます。また、ハイタイプもあり、最大1600mmまで対応可能です。
アルミ形材を使用しており、木調のデザインでありながら、アルミの耐久性を享受できます。
YKK AP ルシアスフェンス
ルシアスフェンスは、木調の美しい仕上げが特徴で、住宅の外観に調和しやすいデザインが豊富に用意されています。横ルーバーや縦スリットなど、さまざまなスタイルから選べるため、好みに応じたカスタマイズが可能です。
高さは600mmから1600mmまでの範囲で選べ、幅も2000mmまで対応可能です。
アルミ製であり、耐久性が高く、腐食や劣化に強い特性を持っています。木調のデザインでありながら、メンテナンスが容易な点が嬉しいポイントです。
プライバシーを重視したデザインが多く、高い目隠し効果を得られます。
フェンス設置時には隣地とのトラブルに注意
何も言わずにフェンスを設置すると、不要な隣人トラブルになりかねません。
フェンスを設置する際には、隣地とのトラブルを避けるために境界線を確認し、工事期間を説明します。
特に境界線を越えて設置しないように、事前に測量を行い、正確な位置を把握しましょう。
また、フェンスの高さやデザインによっては、隣家の日照や風通しに影響を与えることがあります。事前に近隣住民と話し合い、合意を得ることで、不要なトラブルを防ぎましょう。
地域によっては高さ制限や設置基準が定められている場合があるため、自治体のルールを確認することも大切です。
フェンスの値段に関するよくある質問
フェンスの値段に関するよくある質問と回答を、3つまとめました。予算を立てる際の参考にしてください。
外構フェンスの設置費用はどれくらいかかりますか?
一般的に、フェンスの設置費用は1mあたり10,000万円~40,000万円程度が相場です。
素材やデザイン、施工業者によって費用は異なりますが、木製やアルミ製のフェンスは比較的手頃な価格帯です。
一方、デザイン性の高いアイアンフェンスや強度の高いコンクリートフェンスは高額になる傾向があります。
また、基礎工事の有無や地盤の状態によっても費用が変動するため、見積もりを依頼し、詳細な費用を確認することが大切です。
フェンスの種類によって価格はどのくらい違いますか?
フェンスの価格は、素材やデザインによって異なります。
比較的安価なものとしては、アルミ製やスチールメッシュフェンスがあり、1mあたり12,500円~30,000円程度が相場です。
木製フェンスはナチュラルな雰囲気を演出できますが、耐久性を考慮すると定期的なメンテナンスが必要で、1mあたり25,000円~40,000円程度になります。
デザイン性や強度を重視する場合は、アイアンフェンスやコンクリートフェンスが選ばれますが、1mあたり20,000円以上と高額になることが一般的です。
用途や予算に応じて、最適なフェンスを選びましょう。
フェンス設置費用を抑える方法はありますか?
素材の選び方や施工方法を工夫すると、コストを抑えられます。
比較的安価なアルミやスチールメッシュフェンスを選ぶと、コストを抑えやすいでしょう。
また、自分で設置できるDIYフェンスを活用することで、施工費用を削減可能です。さらに、複数の業者から見積もりを取り、価格やサービスを比較するのも有効です。
既存のフェンスを部分的に再利用することも、コストダウンにつながります。
予算に応じた選択をしながら、費用を抑える工夫をしましょう。
まとめ

フェンスの設置には、プライバシー確保や防犯対策といったメリットがある一方で、設置費用やメンテナンスなどのデメリットも考慮する必要があります。
最適なフェンスを選ぶためには、高さや素材、デザイン、機能性をしっかり検討し、住宅との調和を図ることが大切です。
また、隣地とのトラブルを防ぐために、事前に境界線を確認し、必要に応じて近隣住民と話し合うことも大切です。
フェンスに求める効果や住環境に合ったフェンスを選び、快適な住まいを実現しましょう。